MSC/DDIが実施した世界規模のリーダーシップ調査「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2025」では、世界各国のリーダーや人事担当者から得た回答をもとに、現在のリーダーシップの実態と今後求められる変革を明らかにしています。
日本特集では、日本のリーダー1,885人と人事担当者113人の回答を分析し、日本市場に特有の傾向や課題をまとめました。
パンデミック、急速なテクノロジーの進化、働き方の変化――激動の時代において、リーダーに求められる役割はますます複雑になっています。成果と人間性の両立、迅速な意思決定と柔軟性、信頼関係の構築など、これまでにない重責がのしかかる中、リーダーになりたがる人が減少し、現職リーダーの疲弊も深刻化しています。
本レポートでは、こうした現象の背後にある構造的な課題を解明し、持続可能なリーダーシップを実現するための戦略的アプローチをご提案します。
本レポートには、グローバル全体の調査結果と日本における調査結果の両方を掲載。
グローバルとの比較から、日本のリーダーシップの課題や改善の方向性をより明確に把握できます。
日本の傾向を客観的に捉え、これからのリーダー育成施策の検討にお役立てください。
リーダーの供給体制は、グローバル全体では10年にわたる低迷を経て、わずかに回復の兆しを見せています。一方、日本においては、リーダーの供給体制は引き続き低迷を続けています。これは、各社で人的資本経営の取り組みが進み、後継者計画を策定し、育成に取り組むなかで、改めて自社のリーダーの供給体制の不足を実感しているのかもしれません。
信頼は組織の成功を支える基盤ですが、今日の不安定なグローバル環境で急速に失われつつあります。この状況は日本の結果にも表れており、2022年から2024年にかけて、直属の上司に対する信頼は、22%から12%へと大幅に低下しました。これは「直属の上司との信頼関係が強い」という従来の前提を覆すものであり、職場での関係性について再考する必要性を示唆しています。
過去15年間、グローバル全体でリーダーの質に対する評価は低迷し続け、37%から48%の範囲で推移してきました。日本では2022年に12%に上昇したものの、2024年には7%にまで下がっています。これらの低評価は、必ずしも実際のリーダーシップのパフォーマンスを反映しているわけではなく、組織全体の認識の深層にある課題を示している可能性があります。
今、求められるのは「リーダーになりたい」と思える環境づくりと、確かな育成戦略です。
本レポートを通じて、日本のリーダーシップにどのような変革が求められているのかを見極め、組織の未来を切り拓くヒントとしてお役立てください。
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