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リーダーの視野を広げるアセスメント体験~データが示すリーダーの視野とマネジメント能力の関係

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◆リーダーが視野を広げることの重要性と効果性

 

■はじめに

リーダーの能力開発面の課題として、「視野の広さ」や「視座の高さ」がよく挙げられます。弊社で提供している体験型のマネジメント研修「ヒューマン・アセスメント」のデータからも、マネジメント能力を高める上でリーダーの視野や視座が重要な鍵を握っていることがわかります。しかし難しいのは、「井の中の蛙大海を知らず」ということわざがあるように、視野が狭い人ほど自分の視野が狭いことに気付けない、というもどかしいパラドックスが生じてしまうことです。

リーダーが自分の視野や視座の状態を客観的に認識し、効果的な能力発揮につなげるには、いったいどうすればよいのでしょうか。

 

本コラムでは、リーダーとして俯瞰しておきたい視野の範囲を可視化した「マネジメントの12象限」というフレームを用いて、リーダーが視野を広げることの重要性と効果性についてお伝えします。

 

■アセスメント体験が与える学習インパクト

弊社では、リーダーのマネジメント能力1)を診断するソリューションとして、「ヒューマン・アセスメント」を提供しています。ヒューマン・アセスメントは体験型の研修です。参加者の皆さんは、将来担うであろうポジションに立ち、マネジメントの典型的なシチュエーションをいくつか体験します。

リーダーとしての能力開発を目的としたアセスメント研修では、多くの場合、演習を通じて自身の行動傾向を振り返る時間も組み込んでいます。演習に取り組んだ後に、参加者同士で意見交換をしたりフィードバックし合ったりして、自己認識のすり合わせをしてもらいます。

架空の状況設定とはいえ、実際に経験することの学習インパクトは非常に大きく、演習後の振り返りでは、参加者が感じた様々な気付きや課題を伺うことができます。

「討議のVTRを観察したが、うまく皆を巻き込めていなかった。もっと影響力を高める必要がある」

「部下との面接演習では方向感のない話し合いになってしまった。いつも面接される立場だったので、面接する立場の気持ちが初めて理解できた」

「普段と異なる環境に置かれて、対策のアイディアがまったく浮かばなかった。自分には創造力が足りない」

このような様々な気付きから、自身の強みと弱みを明らかにし、能力開発計画書にまとめて職場での行動変容につなげてもらいます。

 

また、以下のように自身の視野や視座について触れる方もいらっしゃいます。

「インバスケット演習では自分の視野の狭さを痛感した。もっと幅広く物事を俯瞰する必要がある」

「プレゼンテーション演習で他の参加者の発表を見て、自分とは違う着眼や視点がたくさんあることに驚いた」

「日ごろ上司から視座の低さを指摘されていたが、研修を受けて改めてそのことに気付かされた」

 

アセスメント研修の多くは集合型ですので、自分だけでなく、他の参加者の行動を観察することもできます。それぞれの参加者が、同じ時間の中で同じ演習に取り組みますが、出てくるアウトプットは人によって千差万別です。だからこそ、自身の視野の狭さや視点の偏りに気付きやすいのです。

 

視野とは「目に見える範囲」を意味しますが、転じて「考え方の幅の広さ」という意味合いでも使われます。視座とは「物事を認識する際の立ち位置」のことです。視野を広く持つにはより高い位置から物事を俯瞰する必要があるため、視座が高い人は視野も広いということになります。アセスメントの参加者が感じる通り、視野の広さや視座の高さは、自身の行動に大きく影響を及ぼします。ある意味、どんな立ち位置でどこまでの範囲を認識し考えて行動することができるかが、リーダーとしての成果領域を決定付けるとも言えます。

 

しかし難しいのは、先ほども述べた通り、視野が狭い人ほど自分の視野が狭いことに気付けない、というもどかしいパラドックスが生じてしまうことです。

リーダーが、自分の視野や視座の状態を客観的に認識し、うまく能力発揮へとつなげていくためにはどうすればよいのでしょうか。

リーダーシップとマネジメントは本来意味合いが異なるものですが、本コラムでは、組織や人を率いて成果を創出する人材のことを総称してリーダーと呼称しています。また、MSCでは、マネジメントを「組織目標を達成するために与えられた経営資源を最も効果的に活用し、組織・人 を通じて成果をあげること」と定義しています。 

 

 

■データが示すリーダーの視野とマネジメント能力の関係

アセスメント研修では、われわれコンサルタントも個々の参加者の行動を客観的・多角的に観察し、その方の持ち味や能力開発上の課題を明らかにしていきます。参加者は、研修の中でのフィードバック面談や後日手元に届けられるフィードバック・レポートを通じて、自分の行動が外部の専門家からはどのように見えているのかを知ることができます。

ヒューマン・アセスメントでは、マネジメント能力を「ディメンション」という複数の要素に分解し、網羅的に診断しています。図1は、2021年に弊社が実施したヒューマン・アセスメントにおけるマネジメント能力の平均点をグラフ化したものです。

 

図1:マネジメント能力の平均点

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(※使用データ:80社 5,440名 課長クラス研修 5点法 3演習以上 2021年)

 

上記グラフでは、アセスメント研修で汎用的に使用される17個のディメンションの平均点を確認することができます。

平均点が低いディメンションとして、「計画・組織力」「創造力」「影響力」が挙げられます。特に「計画・組織力」と「創造力」の低さが目立ちます。一般的に日本人は計画性が高く、組織的な行動が得意と言われていますから、「計画・組織力」の低さに一見違和感を覚えるかもしれません。

 

弊社では、マネジメント能力としての「計画・組織力」を、「自分自身の活動やグループの活動を効果的に計画し、組織立てて進めていく能力」と定義しています。これだけではピンと来ないかもしれません。「計画・組織力」は、「目標を設定する」「優先順位を付ける」「実行計画を立てる」「経営資源を活用する」といった複数の要素に分解することができます。計画の第一歩は目標を設定することです。演習でも、参加者が、与えられた立場にふさわしい目標を設定できたかどうか、リーダーとしての立場からチームの将来像を具体的に描けたかどうかを振り返ります。

 

組織目標や将来の方向性を打ち出す際に顕著な差となって現れるのが、参加者の視野と視座です。視野が狭いと、中長期的な目標を設定しないまま目の前の問題対応に追われるだけになりがちですし、視座が低いと、上位から降りてきた方針にただ従うだけになりがちです。

 

 

■執筆者プロフィール

株式会社マネジメントサービスセンター  チーフコンサルタント
松榮 英史(まつえ ひでし)
MSCにて、15年にわたり5,000人以上のビジネスパーソンの能力診断に従事。培ったヒューマン・アセスメントやフィードバックの技術を活かして内省を深める1on1セッションを提供し、リーダーの自分らしさを大切にした能力開発を支援している。MSC Webサイトに掲載している執筆コラムとして、「1on1で創るウェルビーイングな能力開発」(2021.07.16)、リーダーの「創造力」を引き出す3つのアプローチ(2022.03.01)がある。

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