今日、人事関係者の間でスキル(コンピテンシーではなく、後ほど紹介するスキル)に関する議論がなされているのをよく耳にします。アップスキル(スキル向上を目指すこと)やリスキル(新しい能力や技術を習得すること)、将来的スキルの重要性、そして、従業員に求められるスキルと現状の能力とのギャップに対する切迫感などについてです。実際に、多くの調査によると、あらゆるリーダーにとって無視することのできない差し迫った重要な課題であると考えられています。
ここで興味深いのは、「スキル」という言葉がよく理解されておらず、定義もされていないことです。この言葉自体が最初に使われたのは13世紀頃です(こんなに古いんです。詳しくは、後ほど説明します)。オックスフォード英語辞典では、スキルは「正確かつ確実に何かを成し遂げる能力、能力と結びついた実用的な知識、賢さ、専門性」と定義されています。また、「実践から習得したある機能を実行する能力」とも記されています。
この定義は、「スキル」という言葉には広範な用途があることを見事に表しています。スキルとは、基本的にあなたがやり方を知っていることです。つまり、コーチングからC#のソースコードを書くことまで、あらゆることが含まれます。そして、上記の統計で使われた「スキル」という言葉も、同じように広い意味合いで使われていると想定されます。
本コラムでは、コンピテンシーとスキルはどのように違うのかを解説してコンピテンシー・モデルを定義し、導入・運用するためのベストプラクティスをご紹介します。
コンピテンシー・モデルをうまく運用するためのヒントが掲載されています。